友永工業株式会社 養殖場所長 木野さん 特別インタビュー

大分県は養殖ヒラメの生産量で国内トップ。
ヒラメは病気に弱く、稚魚を成魚までに育てられる歩留まりは6割ほど。
さらに病気によるへい死率の高さだけではなく、昨今の燃料価格や餌代の高騰、海水温の上昇や赤潮などの環境変化もあって廃業する業者も少なくないそうです。

こうした問題に直面しているなか、大分県佐伯市でヒラメ養殖を営む友永工業株式会社の木野 養殖場所長がRG92がもつ抗炎症作用に着目。SARABiO研究所にオファーし、RG92エキスを養殖ヒラメの餌に混ぜて与える給餌試験を2022年3月よりスタート。

実際に、給餌試験を行った友永工業株式会社 養殖場所長の木野雄貴さんにお話を伺いました。
(聞き手:株式会GLOBAL Glizea 代表取締役社長 椛島里枝)

友永工業株式会社 木野養殖場長(写真右)

ヒラメの病死を減らしたい一心でスタートした給餌試験

まず、ヒラメの飼料にRG92エキスを導入しようと思われたきっかけをお聞かせください。

もともとヒラメは免疫力が低くて病気になりやすいんですね。稚魚を成魚までに育てられる歩留まりは6割ほど。
へい死率が高くて難しい魚なのですが、なんとか病死を減らそうと打開策を探していた際にRG92がもつ抗炎症作用を知って「もしかしたらヒラメの病気にも効くのではないか」と考えて、SARABiO研究所さんに相談したところ「やってみましょう」と快く受けてくださったのがきっかけです。

SARABiO研究所 濱田代表取締役会長と友永工業株式会社 木野養殖場長

へい死率が高い――ということは、経営に直結してくる話ですね。

そうなんです。そこをなんとか改善したかった。
ほかの業者さんでもヒラメは歩留まりが悪くて難しいといわれています。
やむを得ず廃業したり、ヒラメからふぐ養殖に転換したりされているところもあります。

そんなに難しいんですね……。
では、実際に1年前にRG92エキスを用いた給餌試験を行われましたが、結果を受けていかがですか?

試験をスタートして1週間ほど経過したときに「あれ?餌の食いつきが違うな?」と感じました。
1か月後には、個体の大きさも通常飼育で育てたものとは明らかに違う。
体が大きくて色合いもつやが出てくる。毎日魚たちを見ているので、そのはっきりとした見た目の変化は本当に実感しました。

RGエキスを混ぜた飼料で育てているヒラメ

この時期(※3月上旬)は、水温が低くてあまり餌を食べないんですね。
けれど、RG92エキスを混ぜた餌をやっている水槽のヒラメは餌食いもよく、成長が早かった。
あれよあれよという間に体も大きくなっていきましたね。
最大200~300グラム近く通常飼育のヒラメとの平均体重差ができたんじゃないかな。

それはすごい。成長が早いということは、出荷が早くできるということですよね。

そうですね。
たとえば2か月早く出荷ができるとなると、その間のランニングコストの削減ができる。
経営にダイレクトにつながってくるので、そこも助かりますよね。

RG92エキスは 救世主となりえる存在

実際に試験をされてみて良い結果を得られたわけですが、どういった方にこのRG92エキスをすすめられたいですか?

まずは、同じヒラメの養殖業者さん。
養殖の経営に苦しんでいる方とかにおすすめしたいです。
いっしょに協力してやってみようかなと思ってもらえると。

あとは後継者不足という問題。
親御さんがやっていたけれども儲けられないからやめようとなってしまうことも多いので、そういった方にもおすすめしたいですね。

ビジネスとして成り立たないのであれば、働きに出た方がいいと考えますよね。
でもそれってもったいない気もします。

そうなんです。せっかくこんないい海があるのにもったいない。

これが設備を変えることなく餌だけで改善できるというのは――

もう水産業界にとって革命的ですよね!
でもRG92エキスは餌に混ぜるだけで、増体やへい死率の低下など薬代や餌代も抑えられます。
とくに今は餌代の高騰がすごいのでそれの手助けになってくれますね。

冷蔵保管で場所を取らないことも魅力的

薬を使っていない温泉成分のみということも、私には2歳になる子どもがいますが、安心安全に食べさせられる魚をつくることができた。これだけでもう嬉しいですね。

生産者として自分が食べたいと思えるものを作らないと、自信をもって消費者の方に「食べてください」とは言えないですよね。

これだけ情報社会になってくると、消費者の方もご自身で調べて「選ぶ」時代になってきていますよね。
RG92エキスを用いた今回のヒラメは「温藻ヒラメ(フォアグラひらめ)」としてブランド化されているのだとか。

もう付加価値をつけないといけないですよね。
当たり前では戦略的にもおもしろくない。

今回、新聞やメディアなどでの紹介をみて「早く食べてみたい!」と温藻ひらめを待ち望んでいる方も多いですが、ご自身で召し上がってみていかがでしたか?

これは自画自賛になってしまうのですが(笑)

まず、口の中に入れるとぱっと甘味が広がります。そして臭みがない。
なによりも、ヒラメの肝が食べられる!(※1)
(※1)通常、ヒラメの肝は刺身でほとんど出さない。
天然ものは泥砂に生息しているため、日本近海では臭みが残る。
また養殖では、薬の匂いやえさの種類によって臭みと安全性の課題があり市場に出回ることはない。

温藻ひらめの刺身。あま味が強く肉厚、肝は臭みがなくクリーミー

まわりの業者さんに食べてもらっても「うまいな」「甘いな」というお声をいただきます。
通常のエサで育てた養殖のヒラメの身はあめ色にならないそうで、天然ものでも旬でないとあめ色ならないのですが、RG92エキスで育ったヒラメの身は通年あめ色でうま味が強い。常に旬の味を楽しめる(※2)。
(※2)RG92エキスの効果によるイノシン酸の増加は、給餌試験データを参照。

薬を使わずに病気を押さえたい、安心・安全なものを届けたいと考えてサラビオさんに相談しましたが、魚体や味にも効果が表れて、本当に驚いています。

今後の展望についてお聞かせください。

まずはみんなに知ってもらうこと、そして生産量を増やしていきたいですね。
最初は先代から事業を引きついで、1万匹からスタートしましたが現在は3万匹くらい。
成長が早ければどんどん回転率も上がってくるので、生産量アップも目指していきたい。

RG92エキスと出会わなければ、当たり前の養殖をして利幅も下がって経営も苦しく、面白くなかったと思います。
今回の実証試験の結果が、へい死率が高く難しいといわれていたヒラメ養殖が活性化するきっかけになればうれしいです。

(終)