養殖ヒラメ
給餌試験データ
温泉藻類RG92エキスを用いた、養殖ヒラメの給餌試験データをご紹介します。
研究機関 | 株式会社SARABiO研究所、株式会社 友永工業 水産事業部<ヒラメ養殖部門> |
試験内容 | 養殖ヒラメの飼料にRG92エキスを添加し、成長観察を行う |
RG92エキス条件 | 1槽(2,500尾)ペレット飼料:水+RGエキス数適/日 |
試験期間 | 2022年3月17日~12月13日 |
実施場所 | 大分県佐伯市 |
本試験の結論
①2週間でRG92エキス投与群に明らかな増体を確認
②へい死率0%を達成(3/17~7/14の約4か月間)
今回の給餌試験において、大分県別府温泉水に潜む「温泉藻類RG92」から得られたエキスが、ヒラメの成長を大幅に促進し、自然免疫を活性化させてへい死率を大幅に抑える効果があるという研究結果が得られました。
通常の餌ペレットにRGエキスを混合して給餌したヒラメでは、ペレットのみの個体よりも体重が約1.3倍増加しました。
さらに例年40%前後もあったへい死率が、飼育開始4か月の時点で依然として0%をキープしました。
エキス給餌個体では、免疫関連因子が活性化し、また皮膚の粘液量が約2倍増加していることがわかりました。
細菌やウイルスなどに対する防御機能の強化が、「へい死ゼロのヒラメ」を生み出したと思われます。
この免疫関連因子の活性化は50g前後の幼魚でも確認されました。
RG92エキス 5つの試験結果
へい死抑制 | |
増体アップ | 試験開始後、1か月で増体が確認。その後10か月の養殖期間に順調に増体、9月の台風被害(低酸素、飼料給餌なし、赤潮)の影響も少なく10月には増体率を回復。12月初めには1kg超えとなりました。 |
病気軽減 | 7月後半~9月前半にかけて滑走細菌タルダによるへい死が確認できましたが、対照区と比べても少ない数に留まって推移しました。 |
栄養剤削減 | RG92エキス区は栄養剤無添加、対照区は栄養剤を添加しての試験でしたが、結果は歴然。 RGエキス区はへい死率、増体率ともに好成績です。 |
安心安全 | RG92エキスは、100%天然由来成分です。もともと人に対する毒性試験で合格しているエキスですので、魚をはじめ動植物が食べても問題ありませんし、それを食べる人間への毒性もありません。 |
RG92エキスで育てたヒラメのブランド化
すでにRG92エキスで育てたヒラメを【温藻ブランド/温藻ひらめ】として、大分県を中心として流通がスタートしています。
RG92エキスの効果による
うま味アップ
旨味成分は大きく分けて「グルタミン酸」と「イノシン酸」があり、この2つの旨味成分が合わさって「うまい魚」になる。
「グルタミン酸」は最初から身に含まれているので、問題は「イノシン酸」がどれだけ含まれているかが重要となってきます。
魚の旨味成分で一番多いのが「イノシン酸」。ただし、このイノシン酸は魚が生きている時にはその体内には存在せず、魚の死後、活動エネルギーだったATP(アデノシン三リン酸)という物質がイノシン酸に変わります。
旨味成分のイノシン酸が増えると「あめ色」に変わりますが、温藻ひらめの身はイノシン酸増加による「あめ色」が確認できました。
一般養殖はストレス耐性が低く、味も劣化傾向ですが、RG92エキスで育成した温藻ヒラメは、ミトコンドリア活性により本来の免疫改善で腸内細菌叢の正常化に伴い、味の旨味再現がされています。
さらに温藻ひらめの特長として「肝が食べられる」ということが挙げられます。
通常、ヒラメの肝はほとんど出回りません。
天然ものは泥砂に生息しているため、日本近海では臭みが残り、また養殖では薬の匂いやえさの種類によって臭みと安全性の課題や、また1kg以上にならないと肝が取れないこともあり、市場に出回ることはありません。
しかし、RG92エキスで育てた温藻ひらめは、天然由来成分100%で残薬などの心配や臭みがなく増体率も好調なので肝も提供することができます。